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3調査結果の概要

(1)輸送と業務の現状
タイ国鉄の旅客輸送量は増加が続いたが、ここ数年は横這いとなっている。急激なタイの経済成長に対し、鉄道の整備が遅れ気味であり、軌道強化等の輸送力の増強が進められている。
輸送の業務は実質的な高いレベルで行われている。高性能車両の保守は可能であり、軌道保守の体制と曲線整正の能力は、車両の高速性能を十分に発揮しうるものと期待される。
(2)必要な対策
(a)高性能振り子車両の導入
曲線区間の速度を振り子式により向上でき、直線の走行性能も改良されている高性能振り子式ディーゼルカーの導入を想定した。
車両性能については、日本の狭軌線の線区を単位に、テストと営業サービスが順次重ねられた実績がある。主としてこれらを参照し、タイ国の条件に適合する内容を検討した。
(b)高速走行のための対策
上記振り子車両の高速走行を有効に実現するため、主として次の対策が必要となる。
・曲線におけるカントの打上と緩和曲線長の延伸を、一部の曲線について行う。
・現在推進中の軌道強化が前提として必要であり、ほかに分岐器、急曲線の熱処理レールなど、若干の規格変更を行う。
・市街地にある交通量の多い踏切に、遮断機を設ける。
(C)線区輸送への適合策
・速度の向上を段階的に行い、物理的な走行の安全、輸送業務の習熟、沿線関係者の適応等を確実にする。
・北線全体の列車運行を一段と安定させて、時間短縮の効果と線区サービスレベルの向上に役立てる。
(3)最高速度
北線の現状と上記の諸対策を前提に、主として車両の性能及び軌道の強

 

 

 

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